「地元の農家さんに売ってもらった野菜でドッグフードを作る障がい者の就労継続支援の作業所なんかができたらいいよなぁ。」
と思って調べてみたら、私の妄想に限りなく近いことを現実にされてドッグフードを作っているところがありましたので、実際に購入してみました。
兵庫県多可町の障がい者の方たちが働く就労継続支援事業所で作られる完全無添加のドッグフード「TASHIKA」をレビューします。
地域課題解決型ドッグフード「TASHIKA」を購入レビュー。
商品名
- TASHIKA 鹿肉 60% ドライフード
内容物
- ドライフード 1kg
愛犬にあげてみたところ、軽い食感でサクサクほぐれて食べやすそう。
価格
- 2750円(1gあたり2.75円)公式サイトにて購入
サンプルもあるし、おためしサイズ(300g)もあるし、定期購入じゃないし、他にオヤツも売っているので、買いやすいです。
購入する
給与量
体重 | 1日の給与量 | 購入価格を元にした 1日あたりの金額 |
3㎏ | 72g | 198円 |
4㎏ | 89g | 245円 |
5㎏ | 106g | 292円 |
6㎏ | 121g | 333円 |
7㎏ | 136g | 374円 |
8㎏ | 150g | 413円 |
9㎏ | 164g | 451円 |
10㎏ | 178g | 490円 |
代謝エネルギー:384kcal/100g
原産国
- 日本
TASHIKAは兵庫県多可町にある旧給食センターを改装した作業場で手作り製造されています。
販売元
- NPO法人 cambio
会社概要 | http://npo-cambio.org/wp/?page_id=17 |
一般社団法人ペットフード協会 | 加盟していない |
ペットフード公正取引協議会 | 加入している |
今回ペットフード公正取引協議会の会員一覧から面白そうなドッグフードがないか探して見つけたのが「TASHIKA」でした。
国産のドッグフードでも製造者の気持ちだけが強いものって「ペットフード公正取引協議会なんて入る意味ない」「AAFCOの基準は粗悪」とか言うわりに、何も代わりとなる数値を明示しないし、初回から定期購入させようとするから面白くないんですよね。
だったら、ペットフード公正取引協議会に加盟して情報共有してもらってドッグフードを作っている会社のほうが信頼できます。そして、TASHIKAを製造するNPO法人cambioは、ペットフード公正取引協議会に加盟しているので、真っ当に事業を運営されているイメージを受け購入に至りました。
TASHIKAは、地域課題の解決や、障がい者支援の一環として製造されるドッグフードなので、素人が作っているドッグフードのように思ってしまいます。しかし、パッケージからホームページのデザインまで見ると「作業場の支援員が頑張ってつくりました!」って感じではないんですよね。いろんな方面のプロの方が関わっていると思われます。
見学してみたいな。
分類
- 一般食
亜鉛:90㎎/kg→必要120g/kg(30㎎/㎏不足)にて総合栄養食ではありません。とパッケージに記載されています。(問い合わせたらAAFCOの栄養基準に亜鉛30㎎/㎏足りないとのことでした)
この表示があるだけでものすごくわかりやすいです。
この表示からわかることは、適当に作り手のおすすめ食材を混ぜて作られているのではなく、ちゃんとAAFCOの栄養基準を元にして作られているドッグフードだということ。
亜鉛30㎎/㎏くらいだったら、納豆をトッピングしてあげればクリアできるんじゃないかな。と思って計算してみたら、
0.03㎎/g亜鉛が足りないのだから、5キロの愛犬の給与量106gだと、1日に3.18mg亜鉛を足してあげればいい計算になります。
納豆1パック(50g)に含まれる亜鉛は0.95㎎なので、単純計算で1日に納豆3パック(150g)食べさせてあげればいい計算。
もうドッグフードのほうがトッピングになってしまう納豆の量です…
なかなか難しいですね。
鹿肉100gに含まれる亜鉛が3.1㎎なので、1袋1㎏鹿肉60%とすると18.6㎎なので、残りの72.4㎎は何処やら。ビール酵母にも思ったほど亜鉛は含まれていないんですよね。レバーには亜鉛が豊富に含まれているけれどそれでも72㎎には及ばないし。
とにかく、トッピングをして亜鉛を補うのであれば、亜鉛を多く含む豚レバーだったら、50g与えれば足りない亜鉛3.1㎎/日をクリアできて現実的。
(ですが、豚レバーで補えるのであれば、原材料の鹿レバーを増やせばいいだけのことなので、あえてそれをしていないということは、レバーを増やしてしまうと、それ以外の栄養素が増えすぎて栄養バランスが悪くなってしまうのかもしれません。)
気にしだすとものすごく気になりますが、正直自分の食事だってどれだけの栄養が必要かなんてわからずに、糖質抜いたり野菜やタンパク質多めに食べたりしてるので、愛犬の食事にもストイックになりすぎなくていい気がします。
ライフステージ
- 記載なし
記載はありませんが、お水で簡単にふやけるので、パピーから老犬まで食べられます。
原材料
- ニホン鹿肉
- かぼちゃ
- さつまいも
- 鹿レバー
- おからパウダー
- 人参
- 魚粉(鯖・マグロ・いわしなど)
- オリーブオイル
- ビール酵母
- 卵殻
害獣駆除された鹿を猟師さんから仕入れ、自社工場で解体しているので、新鮮な生肉ミンチを60%も使用できるそうです。
穀物の代わりの炭水化物源として、かぼちゃとさつまいもを使用しています。
日本育ちのワンちゃんのためにカルシウムを多めにしているとのこと。
穀物 | 不使用 |
添加物 | 酸化防止剤 | 不使用 |
保存料 | 不使用 | |
着色料 | 不使用 | |
増粘安定剤 | 不使用 | |
栄養強化剤 | 不使用 |
添加物は、ビタミン・ミネラルなどの栄養強化剤も不使用です。
保存料・酸化防止剤不使用なので、賞味期限は短いです。購入したもので約3か月(未開封時)でした。
成分
粗タンパク | 40%以上 |
粗脂質 | 18%以上 |
粗繊維 | 3%以下 |
粗灰分 | 6%以下 |
水分 | 8%以下 |
ウェットフードなどでは水分を足していても、水は原材料に書かないので、足されていてもわからないんですよね。給与量がやけに多いウェットフードは水分をかなり混ぜていて、それだけなのにお値段が高かったりします。まったく経済的なドッグフードではないのになぜか人気があったりするから不思議。
それを証明するのが代謝エネルギー。たとえば生肉と同等の水分含有量を謳うブッチの代謝エネルギーは116kcal/100gなので、TASHIKA(384kcal/100g)の3分の1以下。それだけカロリーが低いということはそういうことなんです。肉の割合が原材料の76.5~94%をしめていたら、そんな低カロリーになるわけがないですから。
TASHIKAが鹿肉60%でできているというのは、代謝エネルギーと粗タンパクの値からみて間違いないでしょう。
TASHIKAはどんなワンちゃんにおすすめ?
なんかやばいものが入っているんじゃないかと疑ってしまうほど、TASHIKAに食いつく愛犬。
いつもドッグフードの撮影していても無視なのに、今回は寄ってきて食べられてしまいました。(ほかのドッグフードと粒の大きさを比べていたらTASHIKAだけ食べられた)
おそらく肉が多く含まれているからジャーキーに近いんだと思います。
なので、肉系のオヤツが好きなワンちゃんや、100gあたりのカロリーが高いので、たくさん食べたがるワンちゃんよりも、食べムラがあったり食いつきがよくない小食のワンちゃんにおすすめします。
グレインフリーなので、穀物アレルギーのワンちゃんも食べられます。
あと、なにげに完全無添加なので、添加物の入っていないドッグフードを選びたい飼い主さんにもおすすめ。
エシカル消費にもなります。
保存料・酸化防止剤不使用のため長期保存には向かない点にだけご注意ください。
一袋与えてみた感想
愛犬には珍しく一袋食べきってくれました。
ただ無添加ゆえ風味が落ちてしまうのが早いのか最後の方は開封当時ほどの食いつきはありませんでした。それでも一袋完食するのは珍しいので美味しいんだと思います。
TASHIKAは鹿肉60%(鹿の内臓も含まれています)でカロリーが高めなので、7歳で運動量の少ない愛犬に食いつきがいいからと、嬉しくて欲しがるだけ与えてしまっていたら少し体重が増えてしまいました。
便の色は真っ黒になりました。初めてみるとビックリすると思います。あと、ペットシートに少しあとが残るくらいの水分を含んだ柔らかい便になりました。ビチャビチャではなく形のある良便です。
涙焼けに変化はありませんでした。(目ヤニが多く出たりといった悪影響は見られなかったという意味です。)
ジャーキー系のオヤツが好きな食いつきの悪いわんちゃんに試してもらいたいドッグフードです。
TASHIKAの商品ラインナップ
TASHIKA 鹿肉60% 1㎏
今回レビューした商品
公式ストアでは他に、鹿肉60%のお試しサイズ(300g)やキャットフード、鹿肉のオヤツも購入できます。
安心安全なドッグフードを選ぶための基礎知識&おすすめドッグフード。
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