犬と暮らす

子犬を無料で譲ってもらってお金をかけずに育てることは悪くない。

2019年2月21日

 

可愛い保護犬がメディアに登場するようになって、ペットショップで子犬を買うのではなく、保護犬を迎え入れようとされる方が増えてきているように思います。

しかし、無料の子犬を迎えたいと言うと「犬を買うお金がない人が無料の保護犬を飼うのは間違っている!無料で子犬をもらって飼おうとするな!」と、悪人や貧乏人扱いしてくる人がいますが、保護犬を引き取ることは決して卑しくありません。

お金をかけずに犬を育てることを批判する人もいますが、それも間違っています。

今回は、子犬を無料で譲ってもらって育てたいと考えている方に知ってほしいことを書いたので、よろしければご覧ください。

 

無料で子犬を譲ってもらっても育てるのにお金は必要。

お金があれば、難しいしつけだってしつけ教室に通って覚えさせられるし、病気になればすぐに病院へ連れていけます。

高級ドッグフードやサプリメント、肉や野菜を使った手作りのごはんを食べさせて長生きさせてあげられます。ボケるほど長生きしても、お金があればペット介護士にみてもらうこともできます。

お金持ちに飼われた犬は可愛い服を着せもらえるし、可愛いバッグに入って飼い主と一緒におでかけできます。犬をステータスアイテムとして飼えるお金持ちが理想的な飼い主。

つまり、お金持ちに飼われなかった犬は不幸なんです。

 

遠まわしにこんなことを言う人がいますが、これって本当でしょうか。

お金がない人に飼われる犬よりも、飼い主が見つからず殺処分される犬のほうが不幸ではないでしょうか。

犬を飼えなくなって捨てる人は、お金が理由なんでしょうか。

 

お金がないから犬を捨てる?

調べてみると、飼い主が犬を捨てる理由は大きく分けて9つあることがわかりました。

  1. 飼い主の病気・傷病等(43%)
  2. 離婚(17%)
  3. 転居(13%)
  4. 経済的理由(6%)
  5. 問題行動(6%)
  6. 苦情(6%)
  7. 遺棄拾得(2%)
  8. 動物の老齢・傷病等(2%)
  9. 不明(5%)

 

2017 年 4 月~11 月に関東地方の動物愛護団体に動物保護依頼をした飼い主 149 名(男性 35名:女性 67 名:不明 47 名)を対象に調査を行った。

引用元ペット飼育放棄要因の抽出と終生飼養サポートの検討/日本愛玩動物協会

「経済的理由」で飼育放棄される犬の割合は全体の6%なんです。

経済的理由で飼育放棄した人は、倒産や生活保護などでペットの飼育が困難になり、自分の生活がままならないほどお金に困っている状況だったそうです。

その他の項目でお金が関係していそうなのは「離婚」や「動物の老齢・傷病等」ですが、それらを足しても25%です。全体の1/4。

じゃあ飼育放棄の理由で何が最多かというと「飼い主の病気・傷病等のため飼育困難(43%)」なんです。

犬を終生飼育できない可能性が高い人は、お金がない人ではなく、持病がある人や高齢者だということがわかります。

飼育放棄について注意喚起したければ、「飼い主の病気・傷病等のため飼育困難」のほうを考えないといけないんですよね。

「飼い主の病気・傷病等のため飼育困難」が理由で飼育放棄してしまうのは、一人暮らしが理由かと思ったのですが、おそらく高齢化も理由でしょう。飼い主が亡くなったり病気で入院することになったときに、親族も高齢だと引き取ってもらうことが難しく、飼育放棄せざるを得なくなってしまうのかもしれません。

つまり、犬を飼って大丈夫かどうかは、お金があるかどうかよりも、飼い主の年齢や家族関係のほうが大事だとわかります。

愛犬と共に入所できる老人施設はまだまだ少ないので、もっと増えればいいのですが。

保護犬と高齢者。動物保護団体が介護施設を運営したらどう?

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ペットを飼育放棄する主な理由

下記は、実際に飼育放棄の理由として挙げられたものです。

将来自分にあてはまりそうな項目がないかチェックしてみましょう。

飼い主の都合で飼育放棄

  • 世話ができない
  • 飼いきれない
  • 飼主の死去
  • 日常生活に支障をきたしている
  • 飼主高齢のため
  • 離婚
  • 病人あり
  • 老人病気
  • 母の痴呆がひどい
  • 親の面倒をみなくてはならない
  • 飼主の老齢化
  • 子どものアレルギー
  • 小さい子どもがいる
  • 孫が喘息になり飼えなくなった
  • アパートのため
  • 一戸建てでなくなる
  • 引っ越し先が公団
  • 引っ越しで飼えない
  • 飼主が入院
  • 夫単身赴任、妻喘息入院
  • 忙しくて面倒見切れない
  • 家庭の事情
  • 独り暮らしで不在が多い
  • 会社勤め
  • 飼主が老人ホームに入った
  • 世話をする人がいない
  • 飼主入退院繰り返し
  • 散歩不可能
  • 年金生活で犬を入院させられない

 

犬の状況で飼育放棄

  • 成犬でもらいなつかず給餌不可能
  • 育てるのが困難
  • 家族になじめない
  • 夜鳴き
  • 家族を咬んだ
  • 雷の時に暴れる
  • 狂暴
  • 咬み癖
  • 暴れる
  • 家族を咬む
  • 小さい頃のトラウマがあり咬み癖
  • 飼主に従わずこれ以上飼えない
  • おとなしすぎる
  • 家の中を汚す
  • 脱走する
  • 皮膚病
  • 犬が皮膚病で手に負えない
  • 24時間吠えている
  • 散歩できない
  • 老衰
  • 高齢(ボケ)
  • ガン
  • ケガ
  • 子犬産まれる
  • 多すぎる
  • たくさん産まれたため
  • 現在2匹いるので多すぎる
  • 増えすぎた
  • 多頭飼育

引用元飼い主が動物を捨てる理由とは?/動物実験廃止・全国ネットワーク

 

やはりお金の問題だけでなく、高齢化や離婚者の増加など、今の多様化した日本人の暮らしに、ペット業界のハード面が追い付いていなのが問題のような気がします。

 

ペット業界が推すものに惑わされないで。

終生飼育しやすくなるサービスが増えればいいのですが、ペット業界が推すのはSNS映え。

高額なペットフードを売るために原材料がどうこう言ったり、本来必要ではないペットグッズを売るために、犬はお金持ちのステータスアイテムだというイメージを植え付けたり。

「お金がないなら犬を飼うな!」って、犬が可哀そうというより「金かけてないダサい犬連れてたらインスタ映えせえへんで!」みたいな煽りに聞こえてしまいます。

そして煽られた挙句、見映えが悪い犬を不幸だと決めつけてしまうようになりました。

愛犬と飼い主の間でコミュニケーションを楽しむだけなら、他所の犬と容姿を比べることも、可愛い服も必要ないのに。

周りからイイネと思われる可愛い犬を飼おうとする人が増えてしまっているような気がします。

犬にお金をかけて飼育するのが当然だと刷り込むペット業界の風潮に惑わされず、お金がないのであれば、ないなりの飼育をすればいいんです。

 

ホームレスに飼われる犬。

「お金がない人」と聞いて、私の頭に浮かんだのはホームレスでした。

ホームレスの人が犬を飼っているイメージがあったので調べてみたところ、アメリカの動物愛護団体の記事にたどりつきました。

参考PETS OF THE HOMELESS

アメリカにいる350万人のホームレスのうち、5~10%が犬や猫のペットを飼っているそうです。

ペットを飼うホームレスは、自分の食事を犬に分け与えることになっても、ペットから得られる温もりや安らぎに価値があると感じ、ペットを飼い続けるそうです。

そんな犬を飼うホームレスに対して、ホームレスから犬を引き離すべきだとか、ホームレスは犬を飼ってはいけないなんて内容は一切書かれていないんですよね。

じゃあ動物愛護団体は何をしたかっていうと、ホームレスが飼っている犬に食事を支援しました。

結果、ホームレスもきちんと食事がとれるようになります。

ホームレスに飼われる犬をかわいそうに思って、犬を飼うなと言ったって、言ってる自分が気持ちいいだけで、それ以外誰も幸せにはできないんですよね。

その考え方でいくと、保護犬に新しい飼い主が見つかることを願うのであれば、無料で子犬を譲ってもらおうと考えている人を貧乏人扱いして遠ざけるようなことを言うのは間違っています。

人間だって、すべての子供がお金持ちの家庭に生まれるわけではありません。それでも生きています。

飼い主の生活の質とおなじ程度を飼い犬にも保障し、犬を人間よりも下の存在として雑に扱わないこと。

「お金がないなら犬を飼うな!」と言うだけでは、生まれてすぐに保護され誰にも飼われずに死んでいく犬が増えるだけ。お金がなくても終生飼育できるなら飼ってあげてほしいなと私は思います。

 

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