青森県むつ市の恐山菩提寺を訪れました。
恐山まで青森空港から遠くて辿り着くのに時間はかかりましたが、本当に行ってよかったです。優しい空気が流れていて「あの世とこの世を繋ぐ場所」といわれる理由がわかりました。
恐山をお参りしてあの世とこの世を繋いでいるのを実感しました。
靄に包まれ幻想的な早朝の恐山
7時過ぎ恐山に到着。
2020年は新型コロナウイルスのため、開門時間が8時から17時に変更になり、宿坊も休館しています。(通常の開門時間は6時から18時。)
※令和3年5月1日より例年通りの開山となり宿坊も再開されました。
恐山にペットを連れて入ることはできません。
早く着きすぎたので、仕方なく駐車場周辺で写真を撮ってたんですけど、朝靄であの世感がすごいこと。
写真上手な人だったらいいのが撮れそうで、悔しくなるほど。
靄が漂い、硫黄の匂いがたちこめる駐車場は、独特な雰囲気でした。
夢中になって写真を撮っていました。
いいカメラが欲しくなる場所は久しぶり。
生きとし生けるものすべて六道の世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天国)に生まれ変わりを繰り返すといわれています。
そして、それぞれの世界で衆生の苦しみを救ってくれるのが六地蔵。
わたしは今、どの世界を生きているのでしょうか。
開門時間になり、タイミングよく晴れ間がのぞく。
硫黄の匂いといい、テーマパークのよくできたアトラクションのよう。
お天道様が昇り浄土感を増す宇曽利湖
宇曽利湖からお天道様がのぼりはじめると、心の迷いは消え、心が晴れやかに。
ご来光って感じ。
入山料500円を払って総門をくぐります。
恐山には4つの温泉小屋(薬師の湯・古滝の湯・冷抜の湯・花染の湯)があります。
簡単に外から中がのぞけるお風呂でゆったりはできなさそう。
宿坊の裏にある「花染の湯」が穴場らしいのですが、このときは知りませんでした。人通りの多い参道から外れた場所にあるので花染の湯だったら入れたかも。
総門越しの空がきれいで、何度も振り返って見てしまいます。
高野山、比叡山と並んで、日本三大霊山とされる恐山。
恐山を開山した慈覚大師円仁。
高野山で弘法大師、比叡山で伝教大師を知り、ここ恐山で慈覚大師と出会いました。
大師の諡号を送られた僧侶は25人いるらしいので、次に出会うのは誰かと思うとわくわくします。
火山ガスが噴出する地獄をめぐる
地獄に例えられる火山ガスが噴出する岩肌の一帯を歩いてゆきます。
恐山を怖い場所だと思っている人って多いんじゃないでしょうか。
私が幼い頃にテレビで見た恐山は、心霊スポットとして紹介されていることが多かったんです。
おどろおどろしいBGMが流れていたり、冝保愛子とか織田無道とかの霊能者が登場したり。
それがどのタイミングで気持ち悪いとか怖いとか思わなくなったのか考えていたんですけど、
たぶん、身近で人が亡くなる経験をしてからだと思う。
あと自分も人生を折り返したからかな。
「恐山」ていう名前からして、怖そうですが、全然そんなことない。
訪れる人に死を連想させるのは間違いないけれど、亡くなった人の思いよりも、生きる人の思いを強く感じます。
「死」を考えてしまう人は、絶対に恐山を訪れたほうがいいと思う。
スピリチュアル云々ではなく、あの世へ行ってしまった人を、この世に残された人はずっと思い続けているのが、現実として実感できるから。
あの世を想う人の供え物で満ちた八角円堂
お堂のなかに入ると、たくさんの服や靴が供えられていました。
よく見るとひとつひとつに名前が書いてあるんです。(だから写真を撮れなかった)
新品に名前を書いたものではなく、生前身に着けていたようなものばかり。
遍路の方が着る白衣だったり、学生服だったり。
足元を見ると、可愛いわんこの写真とドッグベッドが置いてありました。
ここに供えられているのは生前に愛用していた品ばかりだと察した瞬間、目頭が熱くなっていました。
神社やお寺をお参りして、こんな感情が湧くのは初めての経験。
八角円堂ってどういう場所なんだろうと、あとで調べてみたら、
「死者が降りてくる場所といわれ、堂内には死者がいつ来てもよいように遺族の方が納めた一揃えの服が納められています。」
とのことでした。
極楽浄土に見まがう浜辺
歩いていくと極楽浜が見えてきました。
山の中にある湖なんですよね。
それを考えるとものすごく異様な場所です。
別世界に来てしまったような感覚になります。
浜辺に、東日本大震災で亡くなられた方を追悼する石碑が建っています。
この場所から、どれだけの人が故人を想って話しかけたでしょうか。
恐山を実際に訪れてみて、「あの世とこの世をつなぐ場所」と呼ばれるのを実感しました。
恐山菩提寺のアクセス情報。
所在地 | 〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山3−2(Google Mapを表示) |
駐車場 | 無料駐車場あり |
開山期間 | 毎年5月1日~10月末日 |
開門時間 | 6:00~18:00(大祭典・秋詣り期間は別設) 毎年11月はじめから4月末まで、冬季積雪のため閉山致しています。 |
電話 | 0175-22-3825(社務所) |
アクセス | JR大湊線で野辺地駅から下北駅まで60分。下北駅から恐山まで下北交通バスで45分。タクシーで25分。 |
ホームページ | https://osorezan.or.jp/ |
JALマイルでお得にGoToトラベルする方法を発見しました。
続きを見る