LGBTQ ライフスタイル

ゲイかどうかを確かめたい人はなぜ知りたいの?

2017年10月20日

同性愛者かどうかを確かめたいという方へ。

疑う前に、まず相手が同性愛者だと知って、どうしたいのかを考えてほしい。

そのしたいことは、同性愛者かどうかを知ってからでないとできませんか?

身近にいる人の中にも同性愛者がいて、ごく普通の暮らしを送っています

つまり、あなたの疑いが間違っていない可能性は高いです。けれど、その疑惑を確信にするには、ただ本人に聞くという方法では無理かもしれません。

同性愛者の私は、言えるのであれば言いたいと思っています。ただ、興味本位で聞いてくる人に、笑われ気持ち悪がられるために、本当のことは言えない。

 

同級生に同性愛を疑われる。

中学時代

「なんでホモなん?」

中学2年で同じクラスになった魔人ブウ似の男子に、会うたびに聞かれるように。

いつも同じ男友達と遊んでいたからか、その当時好きだった人がいたので、その人を追う目線を見られてしまっていたのか。勘ぐられてしまいました。

この頃の私は、同性愛者であることを自分で受け入れらずにいたし、一生隠し通すつもりでいたので、「何言ってんの?」「なんでってなんで?」とシラを切り、認めませんでした。

「同性愛者は変態。笑いものにされる。」というテレビの中の存在と、自分を重ねるしかありませんでした。そんな廊下を歩くだけで人に笑われるような存在になりたくはありません。

認めて言いふらされでもしたら学生生活が大変なことになってしまう。

しつこく聞かれ続けていたけれど、なんとか周りには知られることなく無事に中学を卒業。

 

自分に嫌悪感を抱き誰かに知ってほしくなる。

高校時代

すると、魔人ブウ似の男子も同じ高校に進学していました。

顔を会わす回数は減ったけれど、それでも廊下でたまにすれ違うと、中学と同じように、「ホモ。ホモ。」と小声でアピールしてくる。

新しく高校でできた友人に、私がホモかもしれないなんて絶対に知られたくない。

身の危険を感じていました。

情けなかった。同性愛者であることを隠すために努力することが、どんどん自分の存在を自身で否定していることになっていました。

ある日の昼休み、図書室での出来事。

もう人を好きにはならないと覚悟を決め、新しい気持ちで高校生活をはじめていたのに、変わりないブウの態度に我慢の限界が。

「いつまで言ってるんや。しょうもない。」

もう相手にはしない、中学のノリでは返さないことを伝えました。

それからは、すれ違っても目を合わせるくらいになりました。

 

接点のない高校生活を過ごし、いつしか大学の受験を控える時期を迎えていました。

本棚の並ぶ狭い小さな資料室で、久しぶりにブウと顔を合わす。

「大学どこ行くの?」とブウに聞かれ、私が答えると、

「そっか、頑張って。」と私のお腹を軽くグーでパンチ。

その「頑張って。」が死ぬほど嬉しかった。

その当時、私は我慢の限界を迎えていました。

誰にも自分のことをわかってもらえず、生きるのが辛くてどうしようもなかった。

そんな中で、唯一自分のことを知っている人に励まされた感覚でした。

 

高校最後の冬休み、ブウとの関係、中学からグーパンチまでを繰り返し思い出す。

ブウにだったら、何度も打ち明けるタイミングがあったことに気づく。なんでホモだと認めなかったのだろうと心底後悔。

「なんでホモなん?」という聞き方も、後々考えると好感がもてる。ホモかどうかを聞いているのではなく、なぜホモなのかと、私がホモだと決めつけた聞き方。

「もし今度聞いてもらえたら、次は正直に答えよう。」そう思った時には、時すでに遅し。

 

大学時代

卒業をして、私たちは別の道へ。

大学生になってしばらく経った頃。

忘れもしない、台風の日。

警報がでて休校になってしまい、いつもとは違う時間の電車で帰ることに。

私がのった車両にブウも乗っていました。

互いの近況を報告しあい、電話番号を交換しました。

駅に着いてからも、徒歩だった私にあわせて、バイクを手で押し、私の家を経由して、自分の家へとブウは帰っていきました。

「なんでホモなん?」と昔のように勝手に決めつけて言ってほしかったけど、聞いてはくれませんでした。

それからしばらくして、知らない番号から電話があり、出てみるとブウでした。「電話番号が変わったから。」と。

ちょうどその日、体調不良で寝込んでいた私の耳に、ブウの声は優しく響き、窓越しに見た空がいつもより澄んで見えたのを今でも鮮明におぼています。

私はブウに対する気持ちの変化に気づくのが怖くなり、自ら関係が途絶えるように電話番号を変えました。

 

「なんでホモなん?」となぜ聞いたのか教えてほしい。

アラフォー

20年ちかく経つ間にも、ブウとは何度か偶然に会うことがありました。

そして今、電話番号だけを知る関係ではいるのですが、もう昔のような関係ではありません。

台風が近づくたびに、思い返す。

「なんでホモなん?」と聞かれて、あの時私が正直に答えていたら、どうなっていたのか。

受け入れてくれ、よき理解者となってもらえたのでしょうか。

あの頃に、ただ一人でも受け入れてくれる人に出会えていれば、私の人生はまた違っていたのではないかと思ってしまう。

でも、周りに言いふらされて笑いものにされていたかもしれないと思うと、やっぱり今でも答えられない。

世間の大多数が、同性愛者は日常と切り離された場所で存在しているのだと認識しているのならば、同性愛者の私が日常に存在することは、良くないことのような気がしてしまうから。

「なんでホモなん?」って聞かれても、「なんでかはわからへん。」としか答えられないけど、いつかまた聞いてもらえたら今度は答えたい。

そして教えてほしい。「なんでホモなん?」となぜ聞いたのか。

 

 

comingout
アウティングが怖いからカミングアウトはしないと決めています。

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