介護士

映画レビュー「世界一キライなあなたに」嫌われることを言って愛されるのがプロ。

2017年7月3日

映画「世界一キライなあなたに」の感想を介護士の視点で書きたいと思います。

 

「世界一キライなあなたに」のあらすじ

舞台はイギリスの田舎町。ルイーザ・クラーク(エミリア・クラーク)は、お洒落をすることが大好きな26歳。

ある日、働いていたカフェが閉店することになったルーが新たに得た職は、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった超ハンサムな大富豪ウィル・トレイナー(サム・クラフリン)のお世話係をする期間6ヶ月の仕事だった。

最初はルーに冷たく当たるウィルだったがルーの明るさが、ウィルの頑な心を溶かしていき、やがて2人は恋に落ちていく。しかしある日ルーは知ってしまう。
ウィルが決めた「生きる時間」があとわずかだということを・・・。

出典:世界一キライなあなたに(アマゾンプライムビデオ)

 

重要なキーワード「ディグニタス」と「バケットリスト」

この映画に登場するキーワード「ディグニタス」と「バケットリスト」について調べてみました。

ルーの明るいキャラクターとラブストーリーに仕上がっていることで気づきませんでしたが、キーワードの意味はたいへん重いものでした。

 

ディグニタス(DIGNITAS)

字幕では「スイスからの手紙」と訳されていた書類。映像ではその用紙に「DIGNITAS」と書かれていました。

調べてみると、スイスに実在する医師と看護師により安楽死を幇助する団体であることがわかりました。

 

バケットリスト(BUCKET LIST)

バケットリストとは、死ぬまでにやりたいことリスト。

バケットリストは、映画「最高の人生の見つけ方」や「死ぬまでにしたい10のこと」でも題材として取り上げられています。

 

このふたつのキーワード「ディグニタス」と「バケットリスト」に注目して視聴してみてください。

 

心を動かしたものは優しさではなく…

交通事故にあい車椅子生活を余儀なくされ自暴自棄になってしまったウィルに対して、介護人として雇われたルーが言います。

「仕事としてやっているの。」

「あなたと居たいからじゃない。」

「お金が必要だから。」

これらのセリフが誰にも心を開かなかったウィルの心を動かし、二人は距離を縮めていきます。

言葉だけをみると、なぜこんなセリフでウィルの心が動いたんだろうと不思議に思ってしまいますが、要は「甘えたことを言うな」とルーはウィルに言ったわけです。

「首から下は麻痺しているかもしれんが、頭はしっかりしてんだろうがてめえは。」

的なことを障害者に向かって言ったわけです。

そのセリフが意味しているのは、ルーはウィルを「障害者として見ているのではなく一人の男性として見ていますよ」ということ。

障害のある人を目の前にして、はじめから障害を意識せずに接することはなかなかできないのが普通ですが、ルーは違いました。

ルーの前に雇われた今までの介護士はウィルに対して、仕事としてやっているからこそ優しい言葉をかけたし、お金のために我慢していたのに、ルーはそうではありませんでした。

ルーは、「お金をもらうからこそ、あなたの為になることをする。」「あなたの言うことをだまって聞くだけではない。」と嫌われても仕方ないような言葉でウィルに気持ちを伝えます。

遠慮なく言いたいことを言いつつも良い関係を築くという、ベテラン介護士でもなかなかできないことを介護経験の全くないルーがやってのけしまいます。

人知れず悩む人が心の奥底にしまい込んだニーズに気づけなければ言えないセリフのオンパレード。

ルーにとってウィルの介護はお金を得るための仕事でしかありませんでした。それが次第にウィルと二人で過ごす時間はウィルが存在していなければ過ごせないかけがえのない時間であることに気づきはじめます。

ルーとウィルが互いに自分の持っているものを与えあいながら、物語は終盤に向かいます。

 

 

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