介護士

「介護士を辞めたい…」別の事業所に転職するだけでうまくいくかもしれませんよ。

2017年1月15日

kaigoshi

介護士を辞めて違う仕事に就きましたが、介護士のやりがいに気付き再び介護士として復職しました。

そんな私から「介護士を辞めたい…」と考えている方へのアドバイス。

介護分野でも就業形態は多様にあります。介護から離れてしまう前に、別の介護事業所への転職を考えてみてはいかがでしょうか。

介護士という職業は同じでも、職場を変えることで違ってくることがたくさんあります。

 

辞めて気づいた介護職への未練。

自己紹介を兼ねて、介護士になるまでの経緯と、介護士としてどのような仕事をしてきたかを書かせてください。

もともと私は、介護士になりたくて介護士になったわけではありませんでした。正直なところ、介護士になんてなりたくはありませんでした。

十代の頃の私はカウンセラーになるのが夢でした。それで、臨床心理学専攻の大学をいくつか受験したのですが、結果は全敗。この時の推薦入試で出会った子がきっかけで、私はのちのち介護士になってしまいます。

ある大学の推薦入試で、私と一緒に集団面接を受けた男子が福祉ボランティアをしていることをアピールしていました。

「心理学科の受験でどうして福祉をアピールするんだ。」

隣に座っていた私の内心でした。そして合格発表の日、私の番号は無く、私のひとつ前の番号が載っていました。福祉ボランティアの彼は合格していました。そこから自然と心理学と福祉の関係に興味を持つようになっていました。

福祉ボランティアが何をするのかは知らなかったけれど、心理学とは違う分野に違いないと強く思っていました。

そして私は最終的に滑り止めの大学にしか受からず、心理学とも福祉分野とも違う学部に入学しました。

それでも心理学を学びたい気持ちは収まらず、大学の図書室へ、心理学や哲学、倫理学、宗教などの本を借りに通う日々。その大学の図書室には、河合隼雄氏の著書が多く置かれていました。

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わりと自分の心に響くのは、心理学より哲学のほうでした。心理学は「人の心の動きには全て理由があって理論通りに心が動いているのを知る」、感じでしょうか。心理学は統計学といいますよね。哲学は「想い方や考え方次第で感情はプラスにもマイナスにもなることを知るもの」、そんな風に感じました。特に面白かったのがパラドックス(Wikipedia)で、こういうのを考えるのが好きでした。パラドックスは世の中には考えても答えのでないことがあるのを知るのに良いです。

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そんな感じで、心理学というものに興味をもったまま大学生活を過ごし、就職活動しなければならない時期がやってきました。そんな時に思い出したのが推薦入試で出会った福祉ボランティアの彼でした。

「福祉と心理に共通点があるのなら福祉の世界を覗いてみたい。」

けれど、福祉といえば介護、介護といえば下の世話、くらいしか思い浮かびません。下の世話は絶対ムリでした。

福祉施設の事務員ならできるのはないかと考え面接を受けたら、「事務員ではなく介護やりませんか?」と誘われて、「これも運命…?」と感じ、「やります。」となぜか答えてしまった私。気付いたら介護士になっていました。

 

身体障害者施設の介護士として10年間働きました

就職が決まり、身体障害者支援施設の生活支援員として配属になりました。

入所施設だったので、食事、入浴、排泄などの日常生活に必要な介護を24時間交代勤務でおこないます。

身体障害と知的障害の障害が重複している重度障害者といわれる方も多かったのですが、家族に迷惑を掛けないために、自分の意思で入所しているわりとしっかりした方もいました。

みなさん普通に暮らしていたら出会えない人たちばかりです。

奇声をあげる人がいて動物園のような騒がしさがありました。非日常的すぎて、出勤してすぐにため息が出ることもありました。それでも心から入所者を嫌になることはなかったんですよね。

なぜかというと、そこで働いている自分を嫌いにはならなかったからだと思います。人の役に立てている実感があったんですよね。

身体障害者支援施設の利用者さんは、他人の手を借りずにできることに喜びを感じているようでした。半身麻痺でも着替えは自分でするし、できないことでもできるようになるまでリハビリする姿を私は側でずっと見てきました。

そんな中で本当にできないことを手伝うのが介護士の仕事です。

手足を全く動かせない重度障害の方もいます。重度障害の方の介護は抵抗がありました。自分の意志で生きているのかどうかさえわからないし、なぜ自分が生かすことに協力しているのかさえわからなくなります。しかし、そういう気持ちは、働いてくると色々なことが見えるようになり、自然と消えていきました。

手足を動かせなくても知的には問題のない方だとわかったり、言葉をうまく発することができなくても、こちらの言っていることを全部理解していて表情で返事してくれているのがわかったり。

前向きに生きる姿を見ていると、自分が抱える生きるうえでの障害みたいものに対して、励みになります。

生活支援員として数年働いた後、在宅の身体障害者の相談窓口となる相談員の仕事を任されるようになりました。

その上司は私がカウンセラーになりたいことを知っていたので、相談員という仕事を私に振ってくれたのだと思います。思っていた仕事内容とだいぶ違ったけど。

最終的にわたしは、「入所施設の介護士」と「生活介護の介護士」と「特定相談事業所の相談員」を兼務することになりました。

生活介護を利用される方は、自宅から通って来られるので、お客様としての扱いが強くなります。入所施設と生活介護を行き来するのですが、切り替えがとても難しかったです。

それから数年間、ちょっとした役職をいただいて働いていたのですが、精神的にも肉体的にも疲れてしまい退職しました。もう介護はやりたくないと思って介護士を辞めました。

 

介護士として復職する

介護から離れて、一年間ゆっくり過ごしました。

その結果、また介護士として働いています。

というのも、離職中に仔犬を飼い始めました。うんちをとったり、ごはんをあげたり、お風呂に入れたり。その度に介護士として働いていた頃の自分を思い出してしまい、未練があることに気づきました。

仕事だから仕方ないと思って求められることをしていただけなのに、その行為に対していつも態度や言葉でお返しを頂いていました。そして、そんな自分を誇らしく思えていたんだと介護から離れて気づきました。「仕事を嫌いになっても自分を嫌いになることはなかったなー」って。

自分から積極的に人と関わろうとしない私にとってはとても貴重な時間だったのです。

 

介護でも事業所ごとに違いがある。

私が働いたことがあるのは、身体障害者支援施設の入所施設、生活介護、知的障害者のグルーホーム(共同生活援助)、高齢者のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)。相談員をしていた時には、訪問介護や訪問看護の事業所とも関わっていました。

入所施設の介護士

まちがいなく素の人間力がアップする入所施設。素の自分が試され、本来の自分はどういう人間なのかを知ることができます。

夜勤など少人数体制になったときにアクシデントが起こると、感情的になってしまいますが、それが嫌でも人間力をアップさせてくれます。

利用者の問題行動は、やめてってお願いしてもやめてはくれないし、他に助けてくれる職員もいないし。相手が変わってくれないなら自分の考えを変えるしかないんですよね。

自分の感情と向き合って、負の感情をどのように表に出し、物事を解決していくか。人間性が問われます。消耗します。ですが、私は入所施設で介護士として働いていると人間らしい感情がわくので一番好きです。

 

通所や訪問サービスの介護士

利用者と距離をちょっとおいて仕事したいなら、接客業により近くなるデイサービスやヘルパーとして働くのがおすすめです。

自宅から通って来られるデイサービスの利用者は、楽しい時間を過ごすために来所されるので、介護士はテーマパークのキャストになったつもりで働かないといけないところがあって、テンション低めな私は苦手。

利用者のお宅を訪問するヘルパーは、制度上出来ること出来ないことがあるのを上手く伝えるのが難しそうでした。理解してもらえず家政婦のような扱いをされているヘルパーさんをたくさん見ました。

訪問介護士は各家庭をまわるので、同じ場所にずっと拘束されるのが苦手な人にいいと思います。

 

自分に合った事業所が見つかれば介護士を続けられます。

「介護士」と言っても働き方は様々で、家族的な雰囲気の中働く介護士や、接客業としてお固く働く介護士もいます。

大きな施設は経営が安定していて給与も良かったりしますが、規則が厳しく「介護は接客業ですよ!」と言い聞かせて働かせる事業所が多い気がします。その方が職場環境の秩序が乱されず運営しやすいから。

家庭的な雰囲気で上手くいっている介護施設があったとしたら、その施設はとても人材に恵まれているはずです。介護士と利用者が一緒に生活を楽しもうとしたら、「いい加減」になってしまうからです。「いい加減」の加減が難しいのです。

私は大きな事業所の介護士を辞めて、誰も知らないような小さな事業所で今は働いています。給与面では以前の方が良かったですが、今は休みを自由にとることができるので充実した生活を送ることができています。

介護は底辺の仕事とよく言われますが、仕事のなかにやりがいさせ見つけられればとても充実した時間を過ごすことができます。下の世話が嫌なら、おむつ交換の少ない施設で働けばいいし、体を抱えるような重労働が嫌なら、重労働のない事業所で働けばいいんです。探してみるまでは疑心暗鬼でしょうが意外に見つかります。そして、介護業界は人手が少ないおかげで、経験者や資格保有者は雇ってもらいやすいです。

「介護士を辞めたい。」と思っている方は、一度介護から離れて少しの間休憩するのは悪くない選択だと思いますが、せっかく積み上げた介護スキルを捨てて、まったく別の分野へ転職するのはもったいないですよ。

 

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