エッセイ 介護士

介護拒否する利用者さんを強引に誘導する方法。

投稿日:2018年6月9日 更新日:

副業介護士の私が夜勤専従で働くグループホーム(認知症対応型共同生活介護)での話。

日勤の介護職員さんから「(入居者の)~さん先月に入浴してからもう1ヶ月お風呂に入ってないの。どうしたらいいかな。」と話があり、

「強引にするしかないですね。」って私は言いました。

そしたら、

「強引にやってみたの。車いすに座らせてお風呂場まで連れていったけど、風呂場のドアを掴んで入ってくれなかった。」って。

その介護士さんは、本当に強引にしたよう。だけど私が言いたい強引にするとはそういうことじゃない…

なんか話題のアメフト部の監督のような事を言ってしまった気がしてそれからもずっと考えてしまいました。

今回は、「介護拒否する利用者には強引に対応する。」と言った私が考える方法について、書かせてください。

 

介護拒否する物事を「したい」と思わせるのは難しい。

お風呂に入りたいと思ってもらうのが理想ですが、色々試してダメだったようなので、

お風呂に入りたくない人を「お風呂に入りたい。」と心変わりさせる事は諦めて、「お風呂には入りたくない。」と思いながらでも入浴してもらえるように働きかけましょう。と言う意味で「強引にするしかないですね。」と言いたかった。

「説得しましょう。」に近いかもしれません。だけど理屈でどうこう言って説得するのではなく、「半ば強引に説得しましょう。」という意味で私は「強引にする」という言葉を使いたかったのです。

こうやって文章にすると「そうそう私が言いたかったのはこういうこと。」と思えるのですが、会話している時はまったく言葉がでてきません…たぶんその辺ちょっと壊れてる。

 

言うことを拒否されないための小さな積み重ね。

「半ば強引に説得しましょう。」と言いたかった私が想像していたのは、「しゃあないな。ほんまはお風呂なんて入りたないけど入ったるわ。」「はいはいはいはい。うるさいな。」と利用者が言っている場面。

「あんたが入れ言うんやったら入ったるわ。」と言ってくれるところまでもっていきたい。

そこへ行きつくまでの方法を考えていきます。

 

step
1
近くにある物を取ってもらう。

隣に座りテレビを一緒に見たりお茶をしながらさりげなく、利用者の手の届きそうな所にあるもの(新聞・リモコン・ティッシュなど)を取ってもらいます。「~さんちょっと~取ってもらってもいいですか?」とお願いしてみます。「なんで人に頼むんや!」と怒られても懲りずにもう一回は同じお願いをするのがポイント。怒られてすぐに介護士が引いたら、怒り易い利用者になるので注意してください。この時に、無視されたり逆に物を遠ざけたりする利用者は怒りっぽい利用者よりも望みが薄いです。

 

step
2
作業をお願いする。

一緒にレクリエーションをしながら、「~さん私あれ取ってくるので~しててもらっていいですか?」と作業をお願いしてみる。嫌いな事や苦手な事をお願いされても不快でしかありませんが、利用者が得意で好きなことをお願いした場合、言う事を聞いてくれる確率が高いです。というか私が頼まなくてもしてくれることを、「YES」を言ってもらうために敢えて頼みます。作業に集中している時に横から「ちょっとだけここにいてもらっていいですか?」と言うと、自然な流れで「うん」と返事してもらえたり、声に出さなくても心の中で受け入れてもらえている事が多いように思います。

 

step
3
声掛けで誘導する。

普段の行いを先回りして声掛けしてみます。介護士は利用者の行動パターンを把握していると思うので、行動する前にあえて声掛けで誘導してみます。いつもトイレに行く時間だったら「~さんトイレ大丈夫ですか?」と先に言ってみます。それで行動に移してくれる利用者であれば、徐々に「~さん~しといてくださいね。」とお願いする言葉かけに変えてみます。言葉を掛けることで気分を害し行動を起こさなくなる利用者もいます。そういう人は対応が難しいので先回りの声掛けはやめて別の対応を考えましょう。

 

これらのことを日常的に繰り返していると、次第に抵抗なくこちらの言う事を受け入れてくれるようになるのが感じられます。

大事なのは、小さくて些細でも介護士の言う事を聞いてくれる体験を積み重ねること。決して逆の体験を積み重ねてしまわないように。

 

人を動かす強引さ。

関係が上手くいきはじめると、嫌そうな表情を見せたり、言葉では「わかってるわかってる。」「うるさいな。」とか言うんですが、介護士の言う事を聞き入れてくれるようになります。

それだけ関わっていると、途中でポロっと利用者がお風呂に入りたくない理由を話してくれることもあります。

そうすれば、さらに強引に説得しやすくなりますよね。

いい感じになってきたらいよいよ説得の時。

「~さん今からお風呂に入りますよ!」という強引な一言で利用者を動かせる関係までもっていけるのであれば、人を動かすために強引さがあってもいいんじゃないでしょうか。ということを私は言いたかったのです。

今回この方法で対応できると思ったのは、利用者さんがまだ話の通じる方だったからです。

頑固で怒りっぽいけれど、会話のできる方なのできっと分かり合えると思います。

以前いた「心が弱い介護士とありがとうを言わない認知症の婆さん。悪いのはどっち?!」で書いた婆さんだったら通用しない方法だと思いますが…

介護士の中では、「お医者さんが言ってますよ。」とか「政治家の~さんがお願いしてました。」とか言うと素直に言う事を聞いてもらえるという話は定番なのですが、これらを利用者をバカにするように使う介護士が一人でもいるととたんに上手くいかなくなります。

また、病院へ連れて行くならまだしも、お風呂に連れて行くのに、医者の力を借りないといけないというのは、介護士として情けなく思うところがあります。

なぜ医者の言う事は素直に聞くのか考えればすぐにわかること。信頼しているからです。

時間はかかりますが医者に匹敵する信頼感のある介護士を目指してみてはいかがでしょうか。

 

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